昨年度のLINEの決算資料によると、2020年10月のLINEの国内のユーザー数は、8,600万人。
LINEは私たちのコミュニケーションツールとして必須アイテムとなっています。
そんな中、問題になっているのが子どもたちのLINEのやりすぎ、LINE依存です。
中には、1日100コメントも送られてくるLINEに1週間ずっと返事を書き続けていた中学生がいた、という実態も報告されています。
では、子どもたちのLINEのやりすぎはどうやって制限したらいいのでしょうか?
今回は子どもたちのLINE利用の実態とその弊害も踏まえた上で、LINEの使い過ぎを防ぐ方法を詳しく説明しましょう。
子どもたちは どのくらいLINEを使っているの?
保護者の皆さんは、自分のお子さんがLINEをどのくらい使っているのかご存知ですか?
デジタルアーツ株式会社が2020年4月に行った「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォンの利用実態調査」によると、
「あなたが最近よく使うアプリはなんですか?」という質問に対し、
小学校高学年(女子)と中学生(男子・女子)は、LINEがYouTubeを押さえて1位。全体でもLINEが83.8%で1位になっています。
(参考:デジタルアーツ株式会社「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォンの利用実態調査」より)
また、「スマートフォン/携帯電話を1日に何時間くらい使っていますか?」という質問の答えは…
未成年者全体の平均で1日3.6時間。
高校生女子は、6~9時間が31.1%、9~12時間が12.6%、1日平均時間は6時間と、小中学生や高校生男子に比べてダントツに多いのがわかります。
(参考:デジタルアーツ株式会社「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォンの利用実態調査」より)

上記の時間のうち、LINEがどのくらいを占めているのか詳細データはありませんが、
総務省情報通信政策研究所が令和元年9月に発表した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、各世代のソーシャルメディアの平均利用時間は次のようになっています。
ソーシャルメディアの平均利用時間
- 10代…平日:71.6分、休日:98.7分
- 20代:平日:51.9分、休日:64.6分
- 30代:平日:23.5分、休日:38.4分
- 40代:平日:23.2分、休日:27.3分
- 50代:平日:15.8分、休日:20.2分
- 60代:平日:4.5分、休日:6.1分
この結果をみると、10代のソーシャルメディアの平均利用時間が他の世代に比べて圧倒的に多いのがわかります。
LINEを使い過ぎるとどんな弊害があるの?
子どもたちがLINEを使い過ぎるとどんな弊害があるのでしょうか?
報告されている弊害には次のようなものがあります。
LINE使い過ぎの弊害
- 睡眠不足
- 集中力の低下
- 学力低下
- 視力の低下や姿勢の悪化
LINEを夜中までやり続けてしまうと睡眠不足になり、睡眠不足による集中力の低下、さらにそれが学力低下につながります。
実際、少し古い調査ではありますが、文部科学省の「平成26年度全国学力・学習状況調査(2014年8月)」によると、スマートフォンの利用時間が多ければ多いほど、国語と算数・数学の正答率が下がっています。
(参考:文部科学省の「平成26年度全国学力・学習状況調査」より)
また、スマホを見続けることによる視力の低下や姿勢の悪化といった子どもの身体面への悪影響もあります。
さらに、「既読スルー」や「未読放置」をしたら友だちに嫌われるという恐れから、精神的なストレスを感じるようになるケースも考えられます。

LINEにはまっている子を持つ親の悩み
実際に子どもがLINEにはまってしまった保護者の声には、次のようなものがあります。
小学5年女子A海は、家庭ではずっとスマホでLINEをいじっている。スマホを買ってもらったのは仲良しグループでは遅い方であり、始めてすぐにのめり込んだ。やがて、トイレでもお風呂でもスマホを手放さないようになった。
「学校で眠そうにしている」「保健室に来ることが増えた」という連絡を担任からもらった時には、すっかりLINE中毒状態となっていた。
体調不良で欠席が増え、見かねた保護者は、A海にスマホの利用を控えさせる必要性を感じた。
スマホを取り上げたところ、A海は泣きわめいて暴れ出したという。「LINEを見ていなきゃ何があるか分からない。見ていない時に何かあったら責任取ってくれるの?」と叫んだそうだ。A海くらい中毒症状が進んだ場合は、いきなり取り上げるのは難しい。
この春、中学に入学した娘についての相談です。入学を機にスマホを買ってあげたのですが、その使い方が目に余ります。
一応ルールとして、「許可なく誰かと繋がらないこと」、「個人情報を書き込まないこと」、「夜9時以降はやらないこと」などを取り決めたうえ、勝手にアプリなどをダウンロードできないよう、スマホ自体も保護者が管理できる設定にしています。
ゲームなども全く入れていないので、そんなに長時間やることもないだろうと思っていたのですが、気づけばずーっとスマホを触っている状態。時間をチェックしてみたら、休みの日などは1日7時間以上やっていたこともありました。
スマホを買い与えたその日から、娘のスマホ依存が始まりました。
四六時中、LINEの着信音が鳴り、そのたびにチェックしては返信をしているので、落ち着いて勉強などできません。
使用時間を守ること、そして学校や習い事の宿題がすべて終わってから使うことなど、言い聞かせるのですが、その時は反省しても、すぐにまた元通り。
スタンプを多用する、いわゆる「スタ爆」を誰かが始めると、常に携帯は音が鳴りっぱなし、もしくは震えっぱなし。宿題をしていても、ご飯を食べていても、家族と話していても、スマホが鳴ったと感じると、ソワソワして、心ここにあらずになる娘……さすがにこれはまずいぞと思い、話し合いを何度も重ね、今では、その日にやるべきことがすべて終わるまで、端末にロックをかけ、さらに私が預かるという厳戒態勢に。
自分で自分を律することができない娘の姿に恐ろしさを感じました。
(ネット調査)


LINEの使いすぎを防ぐには?
では、どうしたら子どものLINEの使い過ぎを防ぐことができるのでしょうか?
考えられる方法は次の3つです。
利用時間の制限をする
まずひとつ目に考えられる方法は、スマホやアプリの利用時間を制限することです。
時間制限は、フィルタリングアプリやスマホの設定で行なうことができます。
スクリーンタイム機能を使う(iPhoneの場合)
iPhoneにはスクリーンタイムという機能があり、スクリーンタイムを使うと、iPhoneでどのアプリをどのくらい使っているのか確認することができます。
ファミリー共有と併用すると、子どものiPhoneの使用状況を確認できるだけでなく、アプリを利用する時間を保護者が設定できます。
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子供のiPhoneの使用制限(時間制限)はスクリーンタイム機能&iCloudファミリー共有
iPhoneやiPadなどにアップル社の製品に入っている「iOS」。 2018年9月にアップデートがあり、iOS12に更新ができるようになりました。 iOS12にすることで「スクリーンタイム機能」が利 ...
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「Digital Wellbeing」を使う(Androidの場合)
「Digital Wellbeing」は、Android 9から導入されたアプリです。
対象端末も大幅に増えていて、現在はOSに組み込まれていないスマホでも「Google Play」からインストールすることで利用できるようになっています。
「Digital Wellbeing」では、アプリをどのくらい利用したかグラフで確認することが出来る他、アプリごとの1日の利用時間を決めることも可能です。
Googleファミリーリンクと併用すると、子どものスマホを保護者のスマホに接続でき、利用時間の上限設定、使用するアプリとウェブサイトの管理、リモートロックなどが可能です。
フィルタリングアプリを利用する
フィルタリングアプリを使って、利用時間を制限したり、LINEでのやりとりを監視し、子どもがLINEをどのように使っているか確認することができます。
子どもがどう使っているかを把握することで、使い方を話し合うきっかけになったり、LINE依存になるのを未然に防ぐことも可能になるでしょう。
【子どもの使い過ぎを防ぐためのアプリ】
アプリ名 | OS | 機能 |
iフィルター | iOS / Android | フィルター強度設定:見せて良い・見せたくないサイトの登録 ブロック機能:購入ページブロック 管理機能:インターネットの利用時間制限、保護者のスマホから利用状況確認 など |
スマモリ | iOS / Android | 使用時間制限 有害コンテンツの制限 子どものスマホの使用状況の確認 位置情報の確認 |
Filii | iOS / Android | SNSで繋がっている人が分かる 危険なメッセージをアラート通知で伝える アプリの利用状況が分かる |

子どもと使い方のルールを決める
スマホの設定やアプリを使って利用時間を制限したり、子どものLINEの利用を監視することは可能です。
ただ、時間制限などの設定をする場合は、子どもと一緒にそのルールを決めることをおすすめします。
また、子どもと決めるルールには、利用時間だけでなく、スマホを使う場所、利用するにあたってのモラルなども入れましょう。
子どもとのルールにいれるべきポイント
- スマホの利用時間
- アプリのダウンロードは親に相談する
- スマホはリビングで使う
- ながらスマホ(歩きスマホや自転車運転中のスマホの禁止
- 面識のない相手との連絡・連絡先の交換に注意する
- SNSなどで悩んだら必ず相談する
ルール決めは、スマホを使い始める時がベストなタイミングですが、使い始めたあとでも遅くはありません。
アプリを使って子どもの利用状況を確認し、それをもとに使い方の見直しを子どもに提案するのもひとつの方法です。
子どものLINEのやりすぎを制限するのにおすすめの格安SIMは?
子どものLINEのやりすぎを制限するには、アプリの利用が有効です。
そのため、そのアプリを利用できる格安SIMを選ぶこともポイントになります。
最後に、LINEのやりすぎを制限するのにおすすめの格安SIMを3つ紹介しましょう。
mineo
まずおすすめするのはmineoです。
その理由は、ジュニアパック(月額220円)と安心フィルタリング(iフィルター)(月額385円)があることです。
ジュニアパックには、セキュリティー対策やフィルタリング、辞書など11のアプリが含まれていて、「スマモリ」と「Filii lite」も使えます。
「スマモリ」では、スマホの利用時間を制限することができますし、Filii Liteでは、子どもがLINEをどのように使っているのか、誰とつながっているのかなどを確認することが可能です。
mineoではのジュニアパックでは、この2つのアプリが同時に使えます。
さらに、安心フィルタリング(iフィルター)も利用可能です。
スマモリは子どものスマホがiPhoneの場合は利用できないなど、OSによって利用できない機能もありますが、アプリが選べることでそれぞれの環境に合わせて設定が可能になります。
また、mineoには、家族割引があるので、家族で使うとよりお得ですし、docomo、au、Softbankの3回線から選ぶことができるため、どこのキャリアからも乗り換えしやすいのも特徴です。
イオンモバイル
イオンモバイルにも、子どもパックがあって、「スマモリ」と「Filii Lite」を使えます。
「子どもパック」は月額165円なのでmineoよりも安く利用できる上、イオンモバイルでは、Filii の通常版も利用可能です。
Filiiは、利用制限ではなく、子どもの利用状況を把握する、見守るアプリなので、スマモリとうまく共有して使うとよいでしょう。
また、イオンモバイルには、シェアプランもあるので、家族で使うのにも最適ですし、全国のイオンで対面で申し込みができるのでサポート面も安心です。
J:COM MOBILE
J:COM Mobileでは、「あんしんフィルター for J:COM」を無料で利用できます。
「あんしんフィルター for J:COM」は、子どもを危険なサイトやアプリから守るためのスマートフォン向けフィルタリングサービスで、利用時間の制限をかけることも可能です。
子どものスマホはiPhone、Androidどちらでも使えますし、保護者はスマホだけでなくパソコンからでも管理が可能なので、利用しやすいでしょう。
料金プランは4つだけですが、シンプルで分かりやすく、学割もあるので、子ども向けにおすすめの格安SIMです。
LINEの使い過ぎを制限するために親子で密なコミュニケーションを
LINEの使い過ぎは、睡眠不足からくる集中力の低下をひきおこし、学力の低下、さらには子どもたちの健康にも悪影響を及ぼします。
アプリやスマホの機能でLINEの使用を制限することは可能です。
ただ、親が一方的に使用を制限するのでは、子どもが反感を持つだけで根本的な解決にはなりません。
一番重要なのは、普段から子どもと蜜にコミュニケーションを取り、子どもと一緒に利用時間を決めること。
なぜ、利用時間を制限するのか、「あなたのためであること」をしっかりと説明することも大切です。
まとめ
子どもたちのLINEの利用時間は、年々増加し、スマホの利用時間だけみると、女子高生は1日6時間も使っているという調査結果が出ています。
親としては、まずは自分の子どもがスマホをどんな使い方をしているのか、LINEをどのくらい使っているのか現状を知ることも大切でしょう。
頭ごなしに制限だけするのではなく、親子で過ごす時間を作る、スマホ以外に集中できることを見つけるなど、LINEを使わなくても安心できる、楽しく過ごせる環境づくりをしてあげることを考えてみてもよいかもしれません。