今、若者たちの間で最も勢いがある動画メディアは、「TikTok」と言われています。
「TikTok」は、短い動画を作成し投稿できる中国初の動画版SNSです。
そんなTikTokにはまり、夢中になっている子どもたちも多く、その使い過ぎも問題になっています。
そこで今回は、TikTokの利用実態やその影響、利用を制限する方法などを詳しく説明したいと思います。
TikTokってなに?
TikTokは、中国のByteDance(バイトダンス)という会社が運営する動画共有サービスです。
15秒~1分ほどの短い動画を撮影・加工して共有することができ、アプリ内に実装されている特殊効果を使って、オリジナリティあふれる動画を誰でもつくれるのが特徴です。
また、視聴する側にとっても短時間で動画視聴ができるという手軽さで、若者を中心に爆発的に人気がでています。
それはダウンロード数にも現れていて、2020年に世界で最もダウンロードされたアプリはTikTokで、DL数は8億5000万件でした。(2021年1月7日調査会社Apptopia発表)
2020年「世界のアプリDLランキング」
- TikTok:8億5000万DL
- WhatsApp:6億DL
- Facebook:5億4000万DL
- Instagram:5億300万DL
- Zoom:4億7700万DL
- Messenger:4億400万DL
- Snapchat:2億8100万DL
- Telegram:2億5600万DL
- Google Meet:2億5400万DL
- Netflix:2億2300万DL
(Apptopiaの調査結果より)
日本でも、有名人の利用者も多く、HIKAKIN、きゃりーぱみゅぱみゅ、ディーン・フジオカ、渡辺直美、さらにはPerfumeや山崎育三郎など人気アーティストもTikTokに動画を投稿していて、それも若者たちを惹き付ける理由のひとつでしょう。

TikTokでなにができるの?
TikTokでなにができるのか?もう少し詳しく確認してみましょう。
TikTokでは次のことができます。
TikTokで出来ること
- 動画を無料で楽しめる
- 有名人や人気TikTokクリエイターなどのライブ配信を楽しめる
- 初心者でも簡単に、映える動画の作成ができる
- 家族や友達だけでなく、世界中の人とつながる事ができる
- 有名になれるチャンスがある
- お店で使えるお得なクーポンをゲットできる
まず、動画を観て楽しむ方法としては…
検索して特定のジャンルのタレント・ユーザーなどを探してその動画をみることができますし、「レコメンド」というボタンを使うと、これまでの視聴履歴からおすすめの動画が表示されます。
気に入った動画にはいいね!やコメントをすることもできるだけでなく、動画のダウンロードやシェア、使われているBGMを確認することも可能です。

(画像:AppStoreより)
TikTokは簡単に動画を作成・編集することができるのも人気の理由です。
動画の撮影モードは「60秒モード」「15秒モード」「グリーンスクリーン」「フォトモーション」の4種類あり、「グリーンスクリーン」モードで、背景部分を別の景色に置き換えることができます。
また、TikTokが許諾を得て、使用可能な楽曲が用意されているので、BGMの追加も簡単。
フィルターやメイク、スタンプで装飾を行ったり、文字の追加やステッカー、エフェクトでさらに加工をすることもできるので、初心者でも簡単にオリジナリティあふれる動画を作成することが可能です。


子どもたちのTikTokの利用実態は?
子どもたちはどのくらいTikTokを利用しているのでしょうか?
総務省情報通信政策研究所の「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、TikTokを利用しているのは10代で47.9%と約5割、2人に一人がTikTokを利用しているのがわかります。
この比率は、他の世代の比率を大きく引き離しています。
(「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」をもとに作成)
また、「動画投稿・共有サービス」の平均利用時間は、10代は平日で74.2分、休日は114.8分。
10代の子どもたちは、休みの日に約2時間、動画投稿・共有サービスを利用しているという調査結果が出ています。
「動画投稿・共有サービス」には、YouTube、ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ツイキャス、TikTokなどが含まれているので、すべてがTikTokの利用に費やされている時間ではありませんが、10代の子どもの利用時間が他の世代に比べて圧倒的に多いことはわかります。
(「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」をもとに作成)

TikTokの使い過ぎが子どもたちに与える悪影響とは?
子どもたちがTikTokを使い過ぎるとどんな影響があるのでしょうか?
考えられる影響にはつぎのようなものがあります。
TiktTk使いすぎの弊害
- 睡眠不足
- 集中力の低下
- 学力低下
- 視力の低下や姿勢の悪化など
- 個人情報などを誤って公開してしまう
- トラブルへ巻き込まれる危険性が増える
TikTokの動画の視聴や作成にのめりこんでしまうと、時間を忘れ、睡眠時間を削ってやり続けてしまう可能性があります。
睡眠不足は集中力の低下につながり、結果、学力も低下してしまいます。
さらに、スマホを使いすぎることで視力の低下や姿勢が悪くなるなど身体面への悪影響も報告されています。
また、上で挙げた5と6は、使い過ぎとは直接関係はありませんが、TikTokに動画をアップすることで、学校や自宅の場所、その他の個人情報を誤って公開してしまったり、コメントなどを通じて見ず知らずの人とつながり、それがトラブルや犯罪につながる可能性もあります。


TikTokの利用を制限する方法は?
TiktTokはやりはじめると夢中になって、時間を忘れてやり続けてしまう子どもたちは多いようです。
では、そんなTikTokの利用を制限する方法はあるのでしょうか?
次にその方法を紹介しましょう。
TikTokでできる制限
実はTikTokでは安全に利用するための取り組みをしていて、デジタルウェルビーイングを使って利用を制限することが可能です。

デジタルウェルビーイングを開くには
デジタルウェルビーイングは次の手順で開きます
1.「マイページ」を選択
2.画面右上にある「…」を選択
3.「デジタルウェルビーイング」を選択

ペアレンタルコントロール
「デジタルウェルビーイング」の中にある「ペアレンタルコントロール機能」を使うと、保護者がTikTokユーザーである場合、保護者のアカウント子どものアカウントを連携することで、保護者の画面から遠隔で子どものデジタルウェルビーイング機能を管理・操作することが可能です。
ペアレンタルコントロールは次の手順で行います。
1.保護者と子ども、双方のスマホから「マイページ」の画面右上にある「…」から「設定とプライバシー」をクリックし、「ペアレンタルコントロール」を選択します
2.未成年の子どものスマホから保護者の方の画面に表示されたQRコードをスキャンします
ペアレンタルコントロールでは、次のような管理ができます。
【ペアレンタルコントロールで設定できる内容】
利用できる機能 | 内容 |
使用時間制限モード | 子ども1日にTikTokを使用できる時間を制限することができます。 保護者自身のアカウントから、直接子どもの使用時間制限を設定することができます。 |
使用制限モード | 適切でない可能性があるコンテンツの表示を制限することができます。 |
検索 | 子どもがコンテンツ、ユーザー、ハッシュタグ、または楽曲を検索できるかどうかを決めることができます。 |
見つけやすさ | 子どものアカウントを公開するか、非公開(見ることができるユーザーを決める)か選ぶことができます |
アカウントを他のユーザーにおすすめ表示する | 子どものアカウントを他のユーザーにおすすめ表示するかどうか決めることができます |
ダイレクトメッセージ | 子どもがダイレクトメッセージでやり取りできる範囲を「すべての人・友達のみ・オフ(誰にも許可しない)」の中から設定することができます。 |
「いいね」した動画 | 子どもが「いいね」した動画を視聴できるユーザーを制限できます。 |
コメント | 子どもの動画にコメントできるユーザーを制限することができます。 |

13歳未満はアカウント停止
TikTokはサービス規約上、13歳以上の人しか利用できません。
ユーザープロフィールなどのアプリ内で公開されている情報や、他のユーザーからの通報、動画や本人のコメントなどで、明らかに13歳未満であることが確認された場合は、規約に基づきアカウントの停止・ユーザーへの確認などの対応をとっています。
「未成年の安全に関する報告メニュー」もあるので、「未成年者による不適切な行為」、「未成年者の視聴に適さないコンテンツ」、「未成年者の安全を脅かすコンテンツや行為」をみつけた場合は、それを報告することが、子どもを危険から守ることにつながります。
(画像:TikTokHPより)
親子でルールを決める
スマホやTikTokの設定で、保護者が子どものTikTokの利用を制限することは可能です。
ただ、話し合いなしに一方的に親が制限をかけることはおすすめできません。
TikTokのアカウント設定をする際は、必ず親子で行い、利用にあたっては親子でルールを決めましょう。
ペアレンタルコントロールを利用すること、その際の利用時間制限、その他の制限設定など、ルールは親子で話し合うことが大切です。
また、「あなたを守るために制限をするのよ」と、なぜその制限が必要なのか、保護者はしっかり説明しましょう。


TikTokを安全に使えるおすすめ格安SIM
TikTokの使い過ぎを防ぎ、安全に使うためには、どの格安SIMを選ぶかも重要です。
データ容量が無制限に使えてしまったり、従量制で段階的にデータ容量が増えるコースでは、TikTokの使いすぎにつながってしまう可能性があります。
最後にTikTokを安全に使えるおすすめの格安SIMを3つ紹介しましょう。
mineo
まずおすすめするのはmineoです。
mineoは、子どもたちが安心して使えると評判の格安SIMです。
その理由は次の3点です。
おすすめポイント
- ジュニアパックがある
- 家族割引がある
- パケットシェアができる
月額220円でセキュリティー対策やフィルタリング、辞書など11のアプリが使い放題になる「ジュニアパック」で子どもをネット上の危険から守ることができるだけでなく、「家族割引」や「パケットシェア」があるので、家族でお得に利用が可能です。
また、料金プランが1GB~20GBまで4つあり、子どもの使い方に合わせて選ぶことも可能で、音声通話SIMの20GBでも2,178円と手頃な料金で利用できるのもmineoの魅力です。
さらに、docomo、au、Softbankの3回線から選ぶことができるため、乗り換えもしやすいでしょう。
イオンモバイル
次におススメするのはイオンモバイルです。
格安SIMは、店舗がないところがほとんどですが、イオンモバイルは全国のイオンで対面で申し込みができるのが特徴です。
また、プランも豊富で子どもからシニアまで人気です。
イオンモバイルをおすすめする理由は次の2点です。
おすすめポイント
- 子どもパックがある
- 学割プランがある
「子どもパック」は月額165円で、子どもがスマホを安全に使うためのアプリ(スマモリ、スマートフォンセキュリティ、Filii Lite(フィリーライト))だけでなく、人気の学習アプリなど全部で11本を利用することができます。
特に、スマモリでは、アプリの利用や時間の制限やアプリの利用確認ができるので、子どもが安全にTikTokを利用するのに役に立つでしょう。
また、イオンモバイルはプランの多さも特徴で、データ容量が1GBごと細かく区切られているので、それぞれに合ったプランを選ぶことができ、使い過ぎを防ぐことも可能になります。
J:COM MBILE
3つ目におすすめするのは、J:COM MOBILEです。
J:COM MOBILEは、国内最大規模のケーブルテレビ事業会社であるJ:COMが提供している格安SIMです。
J:COMのケーブルテレビ提供エリアは限定されていますが、J:COM MOBILEはau回線を使っていて、全国どこでも利用することができます。
おすすめする理由は次の3点です。
おすすめポイント
- フィルタリングオプションが無料
- 学割がある
- サポートが充実している
フィルタリングオプション「あんしんフィルター for J:COM」では、WEBやアプリのフィルタリングや利用時間の制限などで、子どもの成長にあわせて、小学生、中学生、高校生、高校生プラスの4段階でフィルタリングの強度を変更することもできますから、保護者も安心して子どもにTikTokを使わせることができるでしょう。
料金プランは4つだけですが、学割があって、利用者の中に26歳以下の方がいれば、家族みんなのスマホがおトクに使えます。
まとめ
「LINEは分かるけど、TikTokってなに?」という大人も多いかもしれません。
でも、世界では、TikTokのユーザー数は月間8億人(2020年1月時点)。Twitterの2.5倍以上、LINEの8倍近くと急成長中のプラットフォームです。
動画を短時間で楽しめたり、簡単に個性的な動画を作れるなど、子どもたちが夢中になる要素が詰まっていますから、TikTokをやりすぎてしまう子どもの気持ちも分かる気がします。
ただ、TikTokにも個人情報の流出や犯罪に巻き込まれる危険性がありますし、やりすぎることで学校の成績の低下につながる可能性もあります。
このサイトで紹介したとおり、TikTokでも、子どもの使いすぎを防止する「デジタルウェルビーイング」機能を提供していますが、その機能を利用する上で重要なポイントは、保護者がTikTokについての正しい知識を持つこと、そして子どもとしっかり相談した上で設定を行なうことではないでしょうか。
普段から子どもたちとしっかりコミュニケーションを取り、親子で楽しくTikTokを楽しめるような環境をぜひ作ってください。