子どもにスマホをもたせれば、連絡もとりやすくなるし、居場所もすぐ分かるなど親としても便利です。
ただ、使いすぎやSNSいじめ、悪質サイトをみてしまうなどの危険もあるのでは?…と
スマホを持たせることのメリットとデメリットの間で、子どもにいつからスマホを持たせるべきか悩んでいる保護者は多いのではないでしょうか?
そんな時、参考になるのは実際に子どもにスマホをもたせた経験のある親御さんたちの声です。
今回は、親の声を紹介しながら、子どもにスマホを持たせるのはいつがいいのか?考えてみました。

子どもにスマホを持たせるメリットは?
いつから子どもにスマホを持たせるか考える前に、子どもにスマホを持たせるメリットを確認しておきましょう。

家族とのコミュニケーション
子どもがスマホを持つことのメリットの1つ目は、家族間のコミュニケーションが取りやすくなることです。
子どもがスマホを持っていたら、いつでも連絡が取れます。
LINEだったら、料金を気にせずメッセージのやりとりができますし、家族でグループを作れば、家族間で一斉にメッセージや通話が可能です。
また、面と向かっては言いにくいことも、LINEなどのメッセージだったら伝えられることもあるでしょう。
防犯に役立つ
子どもにスマホを持たせると、防犯・防災にも役立ちます。
キッズケータイだったら、それ自体が防犯ブザーとして使うことができますし、アプリを使えば子どもがどこにいるのか位置情報を把握することができます。
また、何かトラブルに巻き込まれても、すぐに連絡がとれる手段があるのは親も子どもも安心です。

学習に役立つ
少し古いデータですが、ベネッセが12~18歳の子ども1,204人にスマホと勉強の関係などを聞いた調査結果(2018年)によると、
「スマホは勉強に有効だと思う」と回答した子どもは81.2%で、8割以上の子どもたちがスマホは勉強するうえで役立つと回答しています。
その活用法は、「わからないことをネットで調べる」(80.2%)がトップ。その他、「学習用のアプリ」や「辞書アプリ」を使って勉強している子どもも多くいます。
このように、スマホを活用することで、学習に役立つだけでなくスピード感が出ます。

IT知識向上
スマホを使うことでITに関する知識も向上します。
スマホの操作は、タブレットやパソコン操作にもつながりますから、高校生や大学生になった時、役に立つでしょう。
また、小さい時からIT機器に接していることは、人工知能(AI)などがさらに拡大・普及していく時代を生き抜く力になるでしょう。

子どものスマホを持たせるデメリット(心配事)
子どもにスマホを持たせるのはメリットだけではなく、デメリットもあります。
次に、デメリットも確認しましょう。
有害サイトへのアクセス
スマホを利用することで、さまざまな事が調べられたり、多くの情報を集めることができます。
ただ、多くのサイトや情報の中には、暴力的なサイトや性的描写のあるサイトなど有害サイトや悪質な情報もあり、子どもたちがそんなサイトへアクセスしてしまう可能性もあります。
また、そんなサイトを通じて詐欺や犯罪にまきこまれてしまう危険性も出てきます。
使いすぎ(ネット依存)
有害サイトへのアクセスだけでなく、スマホの使いすぎ、ネット依存も保護者が心配することのひとつです。
ゲームやネット動画、友だちとのSNSに夢中になりすぎて、気づいたら何時間もスマホをいじっている、スマートフォンを肌身離さないスマホ依存症になる可能性もあります。

ネットいじめ
子どもたちがスマホを持ち始め、インターネットの利用率が増えるにしたがい、ネットいじめの問題も深刻化しています。
ネットいじめは、スマホなど利用してインターネット上、SNS上で行われるいじめのことです。
特定の子どものメッセージを無視したり、誹謗・中傷を書き込む、悪質な画像をウェブ上に掲載するなど、いじめの内容もさまざまで、ネット上ですぐに拡散されてしまうのが特徴です。
子どもにスマホを持たせることで、子どもがネットいじめに遭うかもしれない…という点も保護者の大きな心配事といえるでしょう。
視力の低下・姿勢の悪化など
子どもがスマホを使うことは、子どもの健康面でも心配があります。
昔は小学生でストレートネック(スマホ首)になる事はほとんどありませんでしたが、スマホの普及に伴って、子どものストレートネックも増えています。
ストレートネックは、自律神経の乱れや脳と体をつなぐ神経の伝達の悪化にもつながります。
また、子どもたちの視力が年々、悪化している原因もスマホの使いすぎにあると言われています。

家計の負担
子どもがスマホを使い始めると、端末の購入費や維持費などが追加で費用がかかります。
格安スマホ・格安SIMなど、費用を抑える方法はありますが、しっかり調べて選ばないと家計への負担が増えてしまいます。

みんないつから使い始めているの?
実際、子どもたちにはいつからスマホをもたせているのでしょうか?
子どもたちのスマホの保有の実態を数字から確認してみました。
「令和2年青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、2020年のスマホの利用率は次のようになっています
2020年青少年のスマホでのインターネット利用率
- 小学生…53.1%
- 中学生…79.3%
- 高校生…98.9%
2019年に比べると、小学生、中学生ともに約4ポイント増えています。
また、低年齢層(0歳~9歳)の子どもも64%がインターネットを利用していて、そのうち32.3%がスマートフォンを利用しているという結果が出ています。
また、年齢別のスマホの専用率(保有率)は次のようになっています。
[小学生]
- 6歳…4.4%
- 7歳…13.3%
- 8歳…6.8%
- 9歳…14.0%
- 10歳…34.7%
- 11歳…37.0%
[中学生]
- 12歳…61.5%
- 13歳…83.3%
- 14歳…83.0%
[高校生]
- 15歳…94.5%
- 16歳…99.3%
- 17歳…98.9%
この結果を見ると、10歳と12歳をさかいに保有率が上がっているのがわかります。
つまり、小学校高学年、中学生になる時が子どもにスマホを持たせるタイミングになっているようです。
(令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果概要より)
子どもにスマホをもたせた理由
では、保護者はどんな理由で子どもにスマホを持たせたのでしょうか?
それぞれの年齢ごとに親御さんの声を調べてみました。
小学生からもたせた親の声
小学生からスマホを持たせた理由には次のようなものがありました。
小学生から持たせた理由
- 習い事の送り迎え、子供だけで遊びに出かけた時にどこにいるかを把握できる機能が便利だから
- 共働きなのため、子供との連絡手段が限られてしまうから
- 小学生から自主的に色々調べたり、考えたりしてほしいと考えていて、その点でスマホは便利だと思うから
小学生から持たせた理由は、習い事などで一人で外出するための防犯対策や居場所の確認のためという理由が多く見られました。
中学生から持たせた親の声
中学生からもたせた理由は次のようなものがありました。
中学生からもたせた理由
- 子供に「友達同士の連絡がLINEなのに、スマホを持っていないせいで他の連絡手段は嫌」と言われた
- 高校生からの予定でしたが、中学になると周りが一気にスマホを持たせはじめたので
- 中学生になって塾や部活動で帰宅時間が遅くなることが多くなり心配だったから
- 小学校の時のキッズ携帯はダサいと嫌がられたから
中学生になると、「周りがスマホだから」とか「キッズ携帯はいや」など、親の気持ちより子どもたちの希望や意思が優先されるのがわかります。
高校生から持たせた親の声
高校生からもたせた理由には次のようなものがありました。
高校生からもたせた理由
- スマホは物事の分別がある程度つく高校生から持たせるのが良いと思うから
- スマホは料金も高いし、トラブルも沢山あると聞くので
- 高校生までは、連絡手段として必要だとしてもキッズ携帯で充分ではないか
高校生の場合、「持たせた理由」というより、高校生まで持たせない理由を挙げている方がほとんどです。


子どもにスマホを持たせた親の本音(早すぎるのは後悔する?)
一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会が行った「中高生のスマホ利用傾向調査レポート(2020年2月版)」によると、小学校低学年で子どもにスマホを持たせた保護者の38%が「早すぎた」と回答しています。
その数字は、小学校高学年では25%、中学1年生で30%、中学2年生で41%。
スマホを渡した時期が「適切」だったと回答している割合は、中学3年生から70%以上と一気に増えています。
母数が少ないため、はっきりと言い切ることはできませんが、小学校~中学2年生までにスマホを持たせた親は、「早すぎた」と後悔している傾向が見られます。
一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会「中高生のスマホ利用傾向調査レポート(2020年2月版)」より
実際に親の声を確認してみると、次のように持たせた時期が早すぎたと後悔している保護者も多いのがわかります。
中学1年生になるときにスマホを持たせました。
最初は家庭のルールを作って守っていたけれど、だんだんいい加減になってしまい、親子げんかのタネになることがしばしばで頭が痛いです。
今からなくせるものならなくしたい
中学2年生ですが、帰宅後も友達とのやり取りが途切れずに続いて、勉強にも集中できない。
成績も下がったので、話し合いの結果テスト期間前には親が預かることにしました
どうせ買うならとスマホを選びましたが、まだ自制心が育ちきっていないわが子には、機能が制限されている子ども用携帯電話の方が良かったと思う

親の思いと子どもの希望のギャップ
小学校高学年から中学生くらいになると、周りの友だちの影響もあって子どもたちは「スマホを持ちたい!」という思いが強くなるようです。
そんな子どもたちの希望に反し、親の多くは「スマホを持たせるのは高校1年生」がベストと考えています。
それはMMD研究所が行った次の調査結果にも数字として顕著に現れていて、
「いつ頃から子どもにスマートフォンを持たせても良いか」という質問に対して、高校1年生と回答している保護者が66.9%います。
MMD研究所の調査より
高校生からが安心?持たせる時には正しく使うルールを決める
調査結果や親の声にもあるように、子どもにスマホを持たせるのは「物事の分別がつく高校生から」が安心です。
ただ、いくら物の分別がつく年齢といっても、親子の間でしっかり話し合ってルールを決めることが大切です。
決めたほうがいいルールは次の5点です
決めたほうがいいルールとは?
- 1日何時間など使用する制限時間を決める
- 使用する時間帯を決める
- 家でスマホを使用する場所を決める
- 課金が必要な場合は必ず親の許可を取る
- SNSやYouTubeの使い方を確認する
決めるべきルールは、アプリや端末の設定でも制限できるものがほとんどです。
ただ、保護者が一方的に制限をして、そのスマホを与えるのではなく、親子でしっかり相談し、一緒に設定をすることをおすすめします。
また、他の人とコミュニケーションを取れるSNSは、利用する際の細かな使い方も決めておくことが大切です。
さらに、アップロード・ダウンロードの違法性を親子で勉強しながら確認するとよいでしょう。

子供に持たせるのにおススメのキッズケータイ、スマホ
子どもにスマホを持たせる年齢について調査結果や保護者の声を中心に確認してきましたが、子どもにおススメのケータイやスマホもあります。
最後にそんなキッズケータイやスマホを紹介しましょう。
キッズスマホ
TONEモバイルe21
子どもの見守り機能充実!
価格 | |
本体価格 | 21,780円(税込み) |
分割払い(24回) | 907円/月 |
TONEモバイルは、子どもにもたせるスマホとして人気の格安SIMです。
扱っている端末はこの1種類だけですが、いつでもどこでも子どもの居場所が わかるオリジナルの機能や動画視聴チケット制など子どもの見守り機能が充実しています。
また、子どもの成長に合わせて、画面を子供向けから標準画面に変更できるため、端末の買い替えの必要もありません。
Rakuten Mini
コンパクトなボディで機能充実
価格 | |
本体価格 | 18,700円 (税込)→「Rakuten UN-LIMIT V」申し込みで1円 |
分割払い | 24回払い 779円/月 48回払い※ (楽天カード限定)389円/月 |
子どもに向けに作られたスマホではありませんが、子どもの手に収まるコンパクトなサイズで子どもに使いやすいスマホです。
コンパクトながら、顔認証機能やカメラなど機能は充実していて、簡単シンプルでお子さんにおすすめの端末です。
本体価格は18,700円ですが、Rakuten UN-LIMIT Vとセットで1円。さらに楽天ポイントが付与されるので実質0円になります。
キッズケータイ
docomoキッズケータイ SH-03M
充実のみまもり機能。親子であんしん
価格 | |
本体価格 | 14,256円(税込み) |
分割払い(36回) | 396円/月 |
子どもが帰宅すると保護者のスマートフォンにSMSで届く『おかえり通知』や、見守り範囲から離れたら、保護者のスマートフォンとキッズケータイにお知らせが届く『みまもりアラート』など、子どもの見守り機能が充実しています。
また、落としても安心の耐衝撃性、気兼ねなく洗える防水性も備わっています。
docomo キッズケータイF-03J
「第11回キッズデザイン賞」受賞ケータイ!
価格 | |
本体価格 | 2,750円(税込み) |
分割払い | - |
docomo キッズケータイF-03Jは、防犯ブザーや保護者にすぐにつながる「ワンタッチはっしんキー」などもあるので、小さなお子さん向けに最適です。
2017年にドコモでの販売は終了していますが、アマゾンなどでまだ購入は可能です。
au mamorino 5
子どもの居場所がわかる、防犯ブザー付きキッズ向けケータイ
価格 | |
本体価格 | 16,200円(税込み) |
分割払い | - |
au mamorino 5は、居場所確認や防犯ブザーなど見守り機能が満載のキッズケータイです。
保護者からの電話に応答しないと、マモリーノから保護者宛に自動的にSMSが送信され、その内容に従って操作をすると、「居場所通知」や「着信自動応答」を利用できるなどさまざまな安心機能があります。
また、習い事や塾などに行く時間を設定しておくと、その時間に合わせて通知がきたり、「マモリーノ」を持っていくように促すなど、子どものスケジュール管理にも活用が可能です。
au mamorino 4
タッチ&声で操作ができるキッズ向けケータイ
価格 | |
本体価格 | 16,200円(税込み) |
分割払い | - |
au mamorino 4は、mamorino5の一つ前の機種ですが、auショップなどでもまだ購入が可能です。
タッチパネルや声での操作が可能なので子どもにも使いやすく、防犯ブザー、居場所確認機能、セコムで子どもをしっかり見守ることが可能です。
また、防水・防塵で衝撃にも強いため、子どもたちも安心して使うことができます。
SoftBank キッズフォン2
トラブルからしっかり守る防犯機能付き
価格 | |
本体価格 | 18,000円(税込み) |
分割払い(24回) | 750円/月 |
Softbank キッズフォン2は、知らない人からの連絡をブロックする機能や、子どもの居場所が分かる「みまもりマップ」など多彩な見守り機能を搭載しています。
また、100種類以上の顔認識スタンプや漢字学習アプリなどもあり、子どもが楽しく使えます
SoftBank キッズフォン
充実した機能でコミュニケーションをさらに楽しく
価格 | |
本体価格 | 12,000円(税込み) |
分割払い(24回) | 500円/月 |
キッズフォン2の一つ前の機種ですが、ショップでもまだ購入が可能です。
タッチパネルなので子どもでも操作は簡単で、子どもの居場所が分かる「みまもりマップ」など多彩な見守り機能を搭載しています。
また、水や汚れ、衝撃に強い設計なので、子どもたちが多少乱暴に扱っても安心です。
Softbankみまもりケータイ4
コンパクトで持ちやすく、かんたんに使える
価格 | |
本体価格 | 12,240円(税込み) |
分割払い(24回) | 510円/月 |
防犯ブザーの他、通話ボタン、方向キーなどがあるだけなので、小さな子どもの初めてのケータイにおすすめです。
使える機能は限られていますが、子どもの現在位置を確認できるほか、指定したエリアへの出入りや、あらかじめ設定した時間や曜日に位置情報を通知するので、保護者は安心です。
おもちゃのように見えますが、防・防塵、耐衝撃にも対応しているのでより安心して使えます。
まとめ
スマホは家族や友だちとのコミニュケーションツールとしてとても便利です。
ただ、スマホに関わるトラブルも増えているので、「子どもにはいつからスマホを持たせるべきなのか?」子どもをもつ親としては悩ましいところではないでしょうか。
多くの親は「高校生から」がベストと思っている調査結果も出ていますが、子どもの居場所を確認できるなど防犯のために小学生のうちからスマホを持たせたいと思っている保護者もいます。
どちらの場合も、大切なのは、親が子どもにスマホを持たせることのメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、親子でルールを決めることではないでしょうか。
また、ルールを決めて、持たせて終わりではなく、子どもにスマホをもたせたあと、どんな使い方をしているのか、年齢に応じて管理をすることも必要です。
スマホを持つことは、家族間でのコミュニケーションが蜜になるきっかけにもなりますから、そのメリットをめいっぱい活かして楽しく安全なスマホ利用を目指しましょう。